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補聴器には「空気電池」と呼ばれる特殊な電池が使われています。
愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでも、補聴器用電池についてのご質問をいただくことがあります。
旅行などで長期間利用する場合に、どれくらい電池がもつのか心配に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、補聴器用電池の寿命について解説します。また、取り扱いに関しての注意点などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
補聴器に使われる「空気電池」とは
補聴器用電池として使われている「空気電池」とは、プラス電極の素材に酸素を、マイナス電極に金属を使用した電池です。
未使用の状態では電池のプラス側にシールが貼られており、それを剝がして空気に触れさせることで利用できます。
空気電池は一般的に使われる電池と比べて大容量で電圧の変化が少なく、最後まで安定して電気を供給できることが特長です。
電圧が大容量で安定しているため、長時間でも安定したきこえをサポートできるので、空気電池は補聴器に適した電源だと言えます。
空気電池の4種類について解説
補聴器に利用される空気電池は4つの種類に分けることができ、世界共通の型番となっています。
空気電池の種類は、貼られているシールの色で見分けられます。ご自身が利用している空気電池のタイプもこちらで確認してみましょう。
シールの色 | 電池の型番 | 主に使われる補聴器のタイプ | 電池寿命(時間) |
---|---|---|---|
青 | 675(PR44) | 高出力な耳かけ型 | 200 |
オレンジ | 13(PR48) | 耳かけ型・耳あな型(ITE) | 200 |
茶色 | 312(PR41) | 耳あな型(ITC)や小型の耳かけ型 | 120 |
黄色 | 10(PR536) | 耳あな型(CIC) | 70 |
空気電池の寿命について
空気電池の寿命については、補聴器を1日にどれくらいの時間で利用するのか、補聴器を利用する状況などによって左右されます。
ここでは空気電池の寿命について解説します。
種類別の電池の寿命
1日に10時間程度使用した場合の、平均的な交換時期は以下の通りです。
シールの色 | 交換時期 |
---|---|
青 | 10日~2週間程度 |
オレンジ | 10日~2週間程度 |
茶色 | 5~8日 |
黄色 | 3~5日 |
概ね耳あな型で利用されている電池は約1週間が目安、耳かけ型であれば2週間程度となります。
外出の際、特に旅行へ出かける時には予備の電池を必ず持つようにしましょう。
補聴器の電池の取り扱い方
空気電池は、通常の電池と取り扱い方が異なります。正しく取り扱わないと、電池の寿命が短くなってしまうこともあります。
ここでは、空気電池の取り扱い方について解説します。
「なんだか電池の持ちが悪い気がする…」とお悩みの方は、普段の使い方を確認してみましょう。
空気電池の使い方
電池についているシールを剥がした後、すぐに補聴器へ電池を入れずに、しばらく空気に触れさせておきましょう。
シールを剥がしてから30秒~1分程度空気に触れさせておくことで、電池の中の亜鉛と空気が反応しはじめます。
そうすることで「電池を入れても補聴器から音が出ない」という不具合を防ぐことができます。
もし、電池を入れてみても音が出ないということがあった場合は、上記のようにしばらく空気に触れさせる方法も試してみてください。
空気電池を使う際の注意点
空気電池についているシールは、利用する直前に剥がすようにしましょう。剥がしたまま長時間放置してしまうと、空気に触れている間は電池が消耗してしまいます。
補聴器を使用しないときは、補聴器の電池蓋を開けることで電池の消耗を抑えることができます。
空気電池は経年劣化をおこすこともありますので、大量に買いだめをせずに適宜購入するようにしましょう。
空気電池は、パッケージから出さずに室温で保管してください。加えて、金属や小銭などと触れない場所に置きましょう。金属と電池が触れてしまうと、ショートしてしまう恐れがあります。
利用し終わった空気電池は、各自治体のルールにしたがって廃棄しましょう。
愛知県補聴器センター、岐阜県補聴器センターでは、空気電池の回収も行っておりますので、空気電池の廃棄に困った場合はご相談ください。
※お持ち込みいただく際は、安全のためにセロテープで絶縁した状態でお持ちください。
補聴器には電池タイプと充電タイプの2種類がある
補聴器には「電池タイプ」と「充電タイプ」の2種類があります。
電池タイプのものが主流でしたが、最近では充電式の補聴器も増えてきました。
ここでは電池タイプと充電タイプのそれぞれのメリットとデメリットについて解説します。
電池タイプのメリットとデメリット
電池タイプのメリットは、充電式タイプよりも補聴器本体の値段が安く、維持費も抑えられるという点です。
充電式タイプの場合、補聴器本体とは別に充電器も必要になるのですが、電池タイプの場合は必要ありませんので初期費用を抑えることができます。
電池タイプは、災害などで停電してしまった場合でも電池があれば利用できるので、いざという時に安心なのは、電池タイプなのかもしれません。
電池タイプのデメリットは、電池交換は手間がかかる、使用済み電池の排気にも手間がかかる、いつ電池が切れるか解らないので、常に電池を持ち歩く必要がある、電池が無くなったら都度購入しに行かなければならないことがあげられます。
充電タイプのメリットとデメリット
充電タイプのメリットは、電池タイプと比較しても取り扱いしやすく、短時間の充電で長時間利用できる機種も多いことです。
特に、細かい交換作業が必要になる電池タイプと比べても、充電タイプなら充電器に置く、または差し込むだけで簡単に充電ができます。
充電タイプのデメリットとは、電池と比べて初期費用が高い、リチウム電池の消耗による部品の交換は、高額な費用がかかる、充電するのを忘れると、すぐに使用出来ないことがあげられます。
補聴器や補聴器用電池のことならプロに相談を
愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、きこえのプロがお客様一人ひとりにあった補聴器をご提案いたします。
補聴器は値段だけで選ぶものではありません。
お客様がどのようなときに補聴器を必要とするのか、どれくらいのきこえレベルなのかなどを丁寧にお伺いしたうえで、お客様にご納得していただけるような補聴器をお選びいたします。
また、愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターでは、会員価格で補聴器用電池を販売しております。
毎日使う補聴器のことでお困りなことがあれば、お気軽にご相談ください。
補聴器用電池の寿命はどれくらい?|まとめ
毎日使う補聴器だからこそ、電池交換や普段の取り扱いなども丁寧に行う必要があります。
できるだけ寿命を長持ちさせられるように、この記事をきっかけに電池の取り扱い方を見直してみてはいかがでしょうか?
また、補聴器は定期的にメンテナンスを行うことで本体の寿命も長くなっていきます。
「補聴器の調子が悪い」
「もっと高性能な補聴器を探したい」
などとお悩みがある方は、ぜひ愛知県補聴器センター・岐阜県補聴器センターへお気軽にご相談ください。